ブルース・メリフィールド博士(Dr. Bruce Merrifield)が1963年に始めて以来、固相ペプチド合成は、ペプチド作成を可能にする主要な手法となりました。これにより、ペプチドの作成が劇的に簡単になる自動ペプチド合成装置の開発が可能になりました。
CEMはこの技術をさらに発展させました。当初は固相ペプチド合成のために行なっていたマイクロ波エネルギーの開発に基づき、CEMのペプチド合成装置は速度・純度・効率性に関して真似のできないパフォーマンスを提供します。これによって、弊社のペプチド合成装置は世界で最も広く使われるシステムになりました。
従来のペプチド合成装置と比べると、CEMのマイクロ波ペプチド合成装置にはいくつかの利点があります。
- 1サイクルの所要時間が最短
- プライミングが不要な独自のデリバリーメカニズム(Flex-Add)
- 従来の条件下では合成できないペプチドの作成
- 真似のできないペプチドの純度・収量を達成する独自の化学手法
- カップリングと脱保護の両方のステップへのマイクロ波エ ネルギーの使用
- CarboMAXカップリング法
- 1つのポットでのカップリング/脱保護
現在、マイクロ波を使用したペプチド合成は固相ペプチド合成の標準的な方法となっています。2013年にLiberty Blueペプチド合成装置を使った高効率固相ペプチド合成(HE-SPPS)が登場し、標準的なサイクル時間をわずか4分に短縮し、同時に排出される廃液を劇的に減少させて以来、この方法の活用が劇的に広がりました。高効率固相ペプチド合成では、高度なカルボジイミド生成方法も活用しており、90℃でも最低限の副反応でシステインとアルギニンのカップリングを簡単に行うことができます。
CarboMAXカップリング手法が2016年に登場し、高温でのアシル化がさらに行いやすくなりました。CarboMAXを使えば、カルボジイミド生成方法の中で重要なO-アシルイソ尿素中間体の生成が速くなり、アミノアシル化をより速く、より大量に実行することができます。これによって、標準的なカルボジイミドの生成方法と比べて、カップリングの時間を短くするとともに、エピマー化を少なくすることができます。
CEMは、2018年には、固相ペプチド合成のために単一ポットでカップリング・脱保護を行う、まったく新しい方法を登場させました。この新しい方法はLiberty PRIMEペプチド合成装置で使われており、サイクル時間を前代未聞の2分間に短縮でき、さらにLiberty Blueシステムと比べて廃液が半分になります。この機能は、すでに高温になった濾過されていないカップリング溶液に直接脱保護用の塩基を加えるという独自のステップに基づくものです。これにより、カップリングと脱保護の反応の間に濾過したり温度を変化させたりしないため、サイクル時間が減少します。さらに、カップリング溶液がその後の脱保護反応の溶液として有効に機能するため、必要な溶媒の量を減少させます。
Liberty Blue HT12やLiberty PRIMEなどの合成装置に搭載されたレジン設置機能により、自動で素早い固相ペプチド合成を連続して行うことができます。高速連続自動ペプチド合成には、ペプチド並行合成装置を使った処理量の多い方法と比べて、大きな利点があります。高速連続ペプチド合成を行うと、各ペプチドを作成した後に純化を開始することができるため、1つのペプチドを極めて速く作成することができます。同時に、Liberty Blue HT2やLiberty PRIMEを使ってサイクル時間を極めて短くすることで、ペプチド並行合成装置と同じレベルの合計処理量に到達することができます。
CEMでは、ペプチド合成装置に加えて、レジンからペプチドを開裂させる独自のシステムも提供しております。Razorというこのシステムでは、回収バイアルに排出するための統合されたマニホールドを使い、高温で最大12種類のペプチドを並行して開裂することができます。Razorを使うことで、開裂にかかる時間を3〜4時間からわずか30分まで減少させ、PbfやtBuなどの側鎖保護基の難しい除去をより完全に実行することができます。CEMでは、装置に加えて、Fmocアミノ酸、事前搭載用レジンなどの試薬などを含む、幅広い試薬を提供しています。
生成物の純度を高めることが証明されているレジンから、反応時間を短縮しペプチドの生成量を増加させる装置、そしてあっという間にペプチドを除去する開裂システムまで、CEMにはソリューションがあります。
US7393920; US7582728; US8058393; EP1491552; JP4773695
世界中で他にも特許申請済み